世界で一番孤独なInvestor

〜感情に左右されない投資を〜

外国人投資家に立ち向かう〜その四〜

日本株を左右する外国人投資家、今回で4回目の記事です。

【前回記事】

 

前回は「強い株主」の話をしました。

日本より外国の方がオーナー意識、というか企業は会社のものという意識が強いですね。サードポイントについて日本ではネガティブに取り上げられがちと感じますが、これも文化の違いでしょうか。

 

キャピタルアロケーションが重要

決算短信に掲載されているキャッシュ・フロー計算書を見ると、企業が稼いだお金をどれぐらい将来への投資や株主還元に利用しているかわかります。

キャッシュフローって何?という方は下記の記事をご覧ください。

 

日本企業の内部留保は2016年度末まで5年連続で過去最高になり、406兆円と名目GDPの約8割に達しました。

設備投資があまり必要ないテクノロジー企業が日本企業の中でも多くなったことも要因にひとつかもしれません。

しかし、設備投資に利用しない分は「自社株買い」や「増配」などで株主に還元することが英米では求められます。

日本は不景気を迎えてから企業も貯金資質になっている、とはよく耳にする内容です。これは、「企業は株主にもの」と考える外国人投資家からすれば不満が溜まります。

将来の成長のためにも使わず、オーナーである株主にも還元しないなんて言語道断。

 

私は企業分析をする際に自己資本が分厚くあると嬉しい気持ちになりましたが、リターンを生まない形でお金を寝かしていることに無頓着になり過ぎるのもよくないですね。

企業経営者のバランスシートへ意識を向けることが求められています。

倒産リスクが高まらない程度に無駄な預金は減らし、むしろ負債比率を上げるべきと考えられます。

ROEなどの経営効率を求められる理由もこれで明確ですね。

東証一部ではPBR1倍割れが約1/3ありますが、まさにバリュートラップにかかっている日本企業が多い証拠ですね。

 

外国人投資家はオーナー社長を好む

オーナー社長が好まれますが、見方を変えているだけでここまでの内容どれも共通のポイントがあると感じます。

 

株主と経営者の目線が一致する社長が創業者で大株主であるオーナー系企業を好みます。もちろん、時価総額の大きい大型がメインですが、これに関しては中小型でも同様です。

1兆円規模の投資を大胆に決めるソフトバンクの孫さんは良い例ですね。

トランプ大統領が当選した直後の行動を振り返ると納得します。

また、ソフトバンク社債をたくさん発行することで有名ですが、先ほどの「キャピタルアロケーション」の内容を振り返ると、それが海外からネガティブに捉えられていないことがわかります。

 

ソフトバンクの外国人保有比率は40%前後、スタートトゥデイ40%強と市場平均30%より比較的高めですね。

外国人投資家がオーナー企業を好みのは明らかなので、IPOしたばかりの企業で時価総額が小さくても将来的に大きく成長しそうなオーナー企業を狙えるのは私たち個人投資家が有利な投資戦略ですね。

 

実力があれば報酬UPが普通

日本企業には歩合制より決まった金額が給料として払われる方が多いです。

大株主になっているオーナーが成果を上げれば自分の資産も膨らむのと同様に、成果を上げれば役員報酬を引き上げるのが海外的な考え方。

米国主要企業はCEOの平均年収が2016年に13億円に対して日本のそれは1.4億円です。

三菱UFJの平野社長の2016年度の報酬が1.4億円だったのに対して、JPモルガン・チェースのダイモンCEOの2016年の報酬は2800万ドル(約31億円)のうち95%は会社のパフォーマンスで決まる変動報酬です。

こうした長期インセンティブの付与があれば経営陣も任期の間に業績や企業価値をあげようと一層励みます。

サラーリーマン社長が問題が起きないことに神経を使い、保守的に任期を終えて会長を目指すのとは異なります。

報酬体制が米国的に変更する企業は外国人投資家から評価されるでしょう。

 

やはりコーポレートガバナンス改革に期待

コーポレートガバナンスコードでは、少なくとも2名以上の社外取締役を選任すべきとされています。

グローバル企業では1/3以上の独立社外取締役を選任することが求められます。

そして、社外取締役は優秀な経営者であればより評価されます。

有名な経営陣が他の企業の社外取締役を勤めている企業も少なくありません。

 

また、株式持合の解消も望まれています。

金融庁からの圧力で大手銀行は進めていますが、他の企業ではまだまだです。

業務提携だけで良いところを資本提携をするのは疑問視されます。

 

 

今回はここまでです。

ご自身が投資する企業はここまでの内容に当てはまるのかどうか、ぜひIRをチェックしてみてください。

日本の昔から続く風潮的な部分は非合理的であり、海外から嫌われてしまうのかもしれません。若い人が多い新興企業であればより迅速に変革できますが、歴史的な企業ほど難しいのでしょう。勝手に難しくしているだけ、と外国から突っ込まれそうですが(笑)

ご覧頂きありがとうございました。

【参考図書】

№1ストラテジストが教える 日本株を動かす外国人投資家の儲け方と発想法

GMOの分析ツールは便利です】