外国人投資家とは?
今回から複数回続けて「外国人投資家」についてまとめます。
「外国人投資家のせいで〜」、「海外勢が〜」とよく耳にしますが、私は正直それが何を指すのかよくわかっていません。
なので、参考図書を読み、学んだことをここでまとめてみます。
彼らのことを知ることで、私たち個人投資家の投資パフォーマンスが上がれば最高ですね。
売買シェア6〜7割
東証の売買シェアは、大まかですが下記のようになっています。
外国人投資家:6〜7割
個人投資家:2割ほど
公的年金(GPIFなど)による売買が反映される「信託銀行」の売買シェアは3%程度、事業会社の自社株買いの売買シェアは1%程度です。
これは思いの外小さいですね。
人によって感じ方は様々ですが、「個人投資家が全体の2割」は大きく感じました。
ご存知のように日本株の売買シェアは圧倒的に外国人投資家が多いです。
では、それは具体的に誰を指すのでしょうか。
外国人投資家とは一体誰のこと?
もちろん、ウォーレン・バフェットのような外国の個人投資家も指すでしょうが、通常は「外国運用会社」を指すことが多いようです。
外国運用会社とは、その資本が外資系であることが特徴です。
例えば、ブラックロックとかフィデリティなど。
大手外国運用会社は、東京にオフィスを構えて、日本人が運用や調査をしている場合が多いですが、資本が外資系であればやはり「外国運用会社」と呼びます。
外国人投資家といっても、回転売買するヘッジファンドの存在だけでなく、ロングオンリーの運用会社も存在します。
ただ、ロングオンリーの会社も一回あたりの注文が大きいので結果的に売買代金は大きくなります。
日本株保有比率は?
売買シェアと保有比率は異なります。
日本株を売り買いするボリュームと、保有する日本株のボリュームは別物ですね。
これは年度により異なりますが、大体30%ぐらいです。
日本株全体の3割は外国人投資家に握られています。
東証が年に1回発表する「株式分布状況調査」で確認できます。
これに保有比率が高い業種と低い業種が載っています。
2016年度末は鉱業が39.0%、電機が38.2%と高く、水産・農林が16.0%と低い結果でした。
鉱業が高いのは時価総額の高い国際石油開発帝石の外国人保有比率が43%と高いためです。
実質の人気は電機業界にあるといえます。
外国人投資家が「成長性が高く、変化の大きい業種」を好む傾向があります。
反対に好まれないのは、どのような企業でしょうか。
外国人投資家が買いたくない企業は?
やはり大型志向なので、時価総額が大きい企業が買われやすいです。
また、「重厚長大産業」は先進国の仕事ではないと考えられ、その産業の日本株も人気があまりないようです。
そして、ROEが一桁の企業は注目を集められません。
海外の企業ではROEが二桁で当たり前です。
ROEの点からもそうですが、株主還元を意識する外国人投資家からすれば、英語の情報開示がなければ投資対象から外されてしまうかもしれません。
「買いたくない」とは異なりますが、アベノミクスの評価が下がると売られてしまう業種があります。
それは銀行株と不動産株です。
理由は、この2業種が日本の内需を表す代表的業種だと思われているためです。
今回はここまでにします。
「外国人投資家」の動向を理解すれば追い風になる業種、企業が見えてきそうですね。
また、全体が売られてしまう局面では誰が売っているのか、誰が買い支えているのかも考えたいです。それはまた今後。
ご覧頂きありがとうございました。
【参考図書】
№1ストラテジストが教える 日本株を動かす外国人投資家の儲け方と発想法
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