中国筆頭の大きな波
EV(電気自動車)化は主流の市場テーマです。
2017年12月11日、中国の11月エコカー販売が発表されましたが、前年同期比83%増と好調です。
野村證券のアナリストレポートによると、野村の自動車チームでは中国の18年のEV販売台数について前年比52%増の87万台を予想しています。
欧州の自動車メーカーによるEV展開も加速が見込まれており、前年比2.1倍の26万台の販売を予想されています。
世界的な大きな流れですね。
株式投資について言えば、2017年はEV・自動運転のテーマ性を持つ企業の株はが注目を集め上昇しました。
今後もEV化は避けられない最強テーマですが、注意すべき点もあります。
それは、『販売価格下落』と『省略化』だと思います。
先行して需要が見込まれている中国市場では、部品などの販売価格は下落が続いています。
どのビジネスでも当たり前に起こる事ですが、参入障壁が低いものは競合企業が増え、品質向上、コスパの追求に迫られてしまいますね。
そして、大枠のEV化の流れは止まりませんが、いま必要とされる部品が将来も必要とは限りません。
つまり、効率化、進化していくEVの流れの中で、不必要になってしまう部品があるかもしれません。
投資をする際に少しこれらの点も調べてみる必要がありそうですね。
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全固体電池へ
リチウムイオン電池はEV(電気自動車)に必要な存在であることは周知の事実です。
しかし、全固体電解質のリチウムイオン電池も注目されています。
将来的に全固体電池の実用化を目指す企業が出てきています。
例えば、トヨタ自動車は20年代前半の実用化を目指し開発を加速しています。
トヨタ自動車といえば、2017年12月18日にハイブリット車や電気自動車(EV)などの商品戦略について正式発表しました。
2030年までにEV開発に1兆5,000億円も投資する考えです。
25年ごろまでに全車種に電動車のバージョンも設け、30年には世界販売台数の半分となる550万台を電動車とする戦略です。
キャッシュ豊富な大企業がEVへの投資に本気になった証拠ですね。
この市場に大量の資金が集まるのは事実ですが、従来のものから全固体電池へ代わる流れも強まると考えます。
現状の液系電解質のリチウムイオン電池では性能と安全性の点で技術的な限界が近づいており、全固体は中期的に有望な製品である、との考えが広まりつつあります。
上記の考えを強く持っているように見受けられる企業は、特にオハラでしょうか。
銘柄コード5218のこの企業は、マイナス30度から200度で稼働する固体の電解質素材の開発を進めているそうです。
また、オハラはトヨタ自動車と共同研究も行なっています。
全固体電池のメリット、不要になる部品
一般的に言われている全固体電池のメリットです。
エネルギー密度を高めやすい。寿命が長い。安全性が高まる。
そして、セパレータ、集電体、バインダが不要になる。
以上の点が挙げられると思います。
将来の話なので確実なことは何もありません。
ただ、リチウムイオン電池が液系電解質から全固体電解質に代わることで必要になる部品も代わる可能性があるので関連企業に投資する場合はよく調べるべきかもしれません。
全固体電池にも種類がある
大枠で『硫化物系』と『酸化物系』の二つの種類があるようです。
一般的に、イオン伝導性が高く出力が大きい車載用途で開発が先行しているのが『硫化物系』、大気中の安全性が高く小型機用途に適しているのが『酸化物系』。
今後、どちらが主流になるのか、そもそもどちらも使われ続けるのかわかりませんが、企業により注力している系列が異なるので気にかける必要がありそうです。
ちなみに、先ほど挙げたオハラは酸化物系の開発に特化しています。
※個別銘柄の投資を推奨しておりません。
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まとめ
販売動向や国・企業の戦略を見る限りEV化は今後もメインストリーム。
販売価格が下落している部品があるのも事実。
そして、EVに欠かせないリチウムイオン電池にも将来的に変化の可能性がありそうです。
電池に関わらず、変化の過程で不要になる(必要になる)部品にも注意が必要かもしれません。
つまり、ここからは思惑だけで投資をするのではなく、実需もチェックして投資を検討したいです。
最後に
『将来的に〜』とは、実際にそうなるかはわからない話なので、現在使われているものが今後消えてしまう事実は一切ありません。もちろん、反対も然りです。
私はこの分野に詳しくありませんので、内容に首を傾げる方々もいらっしゃると思います。
私自身も学んだ情報を鵜呑みにせず、常に新しい情報を得るように気を付けます。
必要なのは、変化の流れを理解しようとすることだと考えます。
言い訳的ですが、その姿勢だけでも感じて頂ければALL OKなブログです。
皆様の投資が上手くいくことを心から祈ります。
ご覧頂きありがとうございました。
今後とも更新します。
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