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「減価償却費」とキャッシュフローの関係を簡単に

今回のテーマは、決算書で目にする『減価償却』とキャッシュフローの関係です。

ややこしく難しい存在に感じてしまう減価償却ですが、投資に必要と考える部分だけをまとめます。

キャッシュフローの基本知識については下記の関連記事にまとめましたので、ご覧頂けましたら幸いです。

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減価償却とは・・・ 

減価償却費とは、企業が建物や機械を使用したことによって発生する費用のことです。

 

機械は資産ですが、何年かにわたって使用され、最終的に廃棄処分されます。

 

①購入したときは全額が資産

②年々と資産が徐々に費用に変化

③最終的には資産価値がゼロ

 

一括で費用に計上せず、少しずつ費用に計上していくんですね!

資産(プラス)が少しずつ費用(マイナス)に変わっていきます。

 

昨年に機械を買った企業の今年の利益にもこの減価償却費は影響してきます。

『今年の収益』から『昨年から継続して発生する減価償却費』を引いて利益を計算します。

それが5年だったり10年だったりします。

 

「売上はしっかり増加しているので利益も上がるはずと期待していたら、利益は減益でした」というケースはよくあると思います。

企業により様々でしょうが、減価償却費も利益を圧縮する一つの要因です。

 

以前の記事で、M&A企業の財務に登場する『のれん』をまとめましたが、これも減価償却費と同じく利益を圧縮する一つの要因でした。

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マイナスだけどプラス?? 

 減価償却費は費用なので、損益計算書においてはマイナスの項目です。

これは、ここまで確認した内容ですね。

 

しかし、キャッシュフロー計算書においてはプラスの項目になります。

ややこしくなってきました(笑)

ここが重要です!

 

 

こんな企業も存在します。

損益計算書の利益がマイナス(赤字)なのに、営業キャッシュフローはプラスの企業です。

この要因は企業により様々ですが、このパターンの一例として「減価償却費」の影響があります。

例としてキャッシュフロー計算書の一部を作ってみました。

数字はデタラメで、項目は省力しています。

 

【例】

(単位:百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 △1,200

減価償却 2,200

・・・ 

・・・

売上債権の増減額(△は増加) 440

たな卸資産の増減額(△は増加)  △400

・・・

小計 1,250

利息及び配当金の受取額 0

利息の支払額 △10

法人税等の支払額 △140

営業活動によるCF  1,100

 

ー以上。

 

一番上の『税金等調整前当期純利益』はマイナスですが、一番下の営業CFの合計はプラスで着地しています。

 

前回の記事「利益が上がっても破綻する!危ない企業を見抜く」で取り上げた企業の逆パターンですね。 

 

前回同様に、一番上の利益と一番下の営業CFの合計の間にある項目に注目することで、この不一致を暴くことができます!

 

上記の【例】をご覧頂くと、『減価償却』は営業CFを計算する上での、加算項目(プラス)になっているのがわかります。

  

減価償却費というのは有形固定資産(建物、機械装置ほか)を使用したことによって生じる費用です。

減価償却費それ自体は、有形固定資産という「モノの減少」であって、「キャッシュの減少」ではありません。

 

先ほどもご説明した通り、減価償却費は毎年毎年少しずつ費用として計上していきます。

しかし、それは実際にお金を減らしているわけではなく、会計上、モノの価値が年々減ったことにして、ちょびちょび費用計上しているに過ぎません。

 

実際のお金のやりとり」と「会計上の費用計上のやり方」が異なるため、このようにややこしいことになるんですね。

 

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さて、リアルなお金の有高を表すのがキャッシュフロー計算書でした。

収益から「減価償却費の分だけ」マイナスされましたが、実際にはお金が減ったわけではないので、キャッシュフロー上では「減価償却費の分だけ」プラスします。

これでリアルなお金の有高がわかりますね。 

 

 

以前の記事にまとめた内容と逆でした。

棚卸資産(資産)が増えてもキャッシュが増えないのでキャッシュの増減を表示するキャッシュフロー表においては棚卸資産の増加額を減らして調整しました。

 【当該記事】

 

 

まとめ

減価償却費は、有形固定資産の価値が減少しても、キャッシュが減少したわけではないので、キャッシュの有高を表すキャッシュフロー表においては加算して調整します。

損益計算書ではマイナスキャッシュフローではプラス

 

 

大きな投資を行った企業においては、その後の収益を減少させる費用が発生します。

ある年度の利益だけを基準に置くと、その企業の実力を見誤るかもしれません。

個人投資家として、注目する企業の実勢価値を測る上で知っておいた方が良い知識かと思い、稚拙ですがまとめてみました。

 

最後までご覧頂きありがとうございました!

今後とも更新していきます。

 

【参考図書】

決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編 (講談社現代新書)

  

東大式 スゴい[決算書の読み方]

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