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M&A企業の決算に見る『のれん』とは何だろう?

M&Aあるところ『のれん』あり

M&Aを行う企業の財務面に登場する『のれん』について簡単に説明します。

 

M&Aとは、ざっくり言うと『企業を買収し統合すること』です。

ソフトバンクリクルートいま話題のRIZAPなど多くの日本企業が基盤拡大や成長のために企業買収を行なっています。

自前主義で全てやろうとするよりも自社に必要なモノを持つ企業を買収すれば、時間が節約でき、成長スピードUPが見込めますね!

M&Aについては下記記事をご覧ください】

  

のれんとはギャップ

 今回のメインテーマは『のれん』です。

ある企業を買収しようとした時に、多くの場合『買収する企業の簿価と買収金額との間にギャップ』がありますね。

このギャップ(差額)が『のれん』です!

 

例えば、簿価(純資産)100億円の会社を1,000億円払って買収しました。

1,000億円の現金を支払ったのに対して、100億円の簿価だけを帳簿に記すわけにはいきません。

残り900億円もどうにか記さなければ企業の帳簿(BS)は成立しません。

この900億円を『のれん代』と記します!

「現金1,000億」に対して「簿価100億+のれん代900億」で帳尻を合わせます。

 

Q. そもそもなぜ簿価100億円の会社に900億円も上乗せした金額を支払うの ?

A. ざっくりいうと、買収する企業の成長性やブランドなどの付加価値にお金を支払うのでしょう。

 

 ここで生まれる差額が『のれん』です。

『のれん』の正体がわかりましたね!

 

☆ここからが重要になってきます。

 

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RIZAPの株価ぐんぐん上昇中!

 

『のれん』は利益を押し下げる?

のれん代』は貸借対照表(BS)に計上され、会計基準により償却したり、しなかったりします。

償却は、損益計算書(PL)への影響があります。

つまり、企業の利益にも関わってきます!

こりゃ重要だ!!

 

「帳簿にどんな名目で記載されようが知らないよ!のれんなんてどうでもいい!!」とおっしゃる個人投資家企業の利益が喰い潰されてしまうようであれば困るはずです。

企業の利益が小さくなる、はたまたマイナスになれば株価にも影響はありますよね。

 

 

わかりやすいように順々にいきましょう!

 

 

Q. 減価償却って何だっけ?

A. ざっくり言うと、会社で長期的に使うモノを買った時、その年にすべて費用として計上せずに、使う年数に応じて少しずつ費用計上していくことです。

例えば、1,000万円の機械を買った場合、10年間で償却すると毎年100万円の費用を計上します。

 

実際の支払いは終えているので、手元のお金は既に消えていますが、会計上は分割して費用計上していきます。

費用の話なので、もちろん利益にも関わってきますね!

【関連記事】

 

 

よりビッグになるためにM&Aという必殺技を使うのは良いですが、のれん償却費によって利益を圧縮されると企業も株主も辛いです。

 減価償却をしない方法はないだろうか・・・

 

そこに繋がるのが次のテーマ!!

 

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ダブルスタンダード

先ほど、『のれんは会計基準により償却されたり、されなかったりする』と書きましたが、具体的にどうゆうことでしょうか?

のれん償却をしなくても良いのでしょうか??

 

日本会計基準 or 国際会計基準 

まったく難しい話ではありませんが、決算内容を知る上で大切な内容です。

現在、日本企業では上記のどちらかの会計基準をメインとしています。

日本会計基準国際会計基準IFRSのどちらを採用するかによって『のれん償却』においても違いが出てきます!

 

 

Q. 何が違うの?

A. 一方は毎年一定額を償却する必要があり、もう一方は状態次第では償却する必要がない。

言い換えると「必ず費用を計上するパターン」と「計上しなくても良いかもしれないパターン」です。

 

 

Q. どちらが良いの?

A. 一長一短があるのは事実ですが、私としては後者の方がすぐに負担にならずに成長企業を買収できるので良いと考えます。

前者は日本会計基準で、後者が国際会計基準IFRS)です。

 

当初の私は「IFRSすごいな」と感心しました。

なぜなら、日本基準であれば買収後すぐに『のれん償却費』で利益が圧縮されましたが、国際基準であれば買収後すぐに利益へのダメージはなく、企業の決算の見栄えも数段と良くなるからです。

これから基盤拡大し、株主資本も集めながらグングン伸びていきたい企業にとっては、利益の圧縮は足かせになりますから国際基準の方が良いですね!

 

しかし、こちらにもリスクがありました・・・

 

忘れた頃に強烈ボディブロー!!

国際会計基準IFRS)では、のれんを毎年償却する必要はありません。

しかし、M&Aの時より買収企業の実態が悪くなっていれば減損処理を行います!

つまり、M&A時はマイナスを出さないからと安心していても、忘れた頃に大きな減損により大ダメージを受けることがあります!

毎年行う「テスト」にクリアしなければ、減損を計上する必要があります。

 

「買収企業の価値向上と統合を上手く出来ると思っていたが、やっぱりダメでした」と忘れた頃に我々個人投資家にボディーブローを食らわせてきます。

過去に、楽天などがそのような形で減損を計上しました。

 

最悪のケースだと、買収額以上の損失を出す可能性もあります。

皆様もご存知の大手電機メーカーがそうでした。

 

安く買い取って、上手に利益計上する企業もありますが、結果的に「安かろう悪かろうでした」ではまずいですね。

実際に大赤字を出している会社を買収しているケースも多くありますので、そこは経営者の手腕が物を言います!

 

まとめ

『のれん』はM&Aの際に発生する『差額』のこと。

そして、二つの会計基準により、『のれん』の償却の扱いが異なりました。

ご自身の注目している企業がM&Aをするようであれば、どちらの会計基準なのか確認必須です。

また、既に買収済みであれば、それの償却はどうなっているのか目を光らせる必要がありますね。

 

 

こちらで以上です。 

ご覧頂きありがとうございました!

【今回の参考図書です】 

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

 

東大式 スゴい[決算書の読み方]